「できない」を受け入れて          「感謝」するほうがしあわせ

数年ぶりに友人と会った。

出張で彼女の住む近所に行くことになり,

ちょっと空き時間ができたので

突然だけれど連絡してみた。

そういえば最後に会ったのいつだっけ・・・?

この前あったのは、下の子が幼稚園入るって話したよなあ・・・

なんて思い返すと、なんと2年以上前。

それでも、会えば、先週も会ったかのようにおしゃべりは続いた。

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新しい働き方

彼女も二人の子どもがいるが、今、パートでホテルで働いているという。

しかも、夜のシフトで働いているという。

理由は明確。

「昼間働いたら、自分の時間がなくなる」

昼、幼稚園にお迎えに行き、子供と少し遊び、小学生の子を「おかえり」といってから仕事にいくという。

幼稚園に行ってる間に、夕飯の準備をしておいたり、

買い物に行ったり、ジムやランチに行っているらしい。

夜は、義母や旦那が子供と食事をとり、風呂に入れたりするという。

パートなので、シフトがない日は旦那は飲みにいったり、家族で過ごすこともできる。

10時には帰宅するので、小学生の子とはお風呂入ったりすることもできるという。

「元気なばあば」という強い味方がいるから、できることではあるけれど、

この話を聞いたとき、同性である私ですら

「一瞬、なんて贅沢な・・・」と思ってしまった。

そして、「昼間働かないの?!」と思わず、聞いてしまったくらいだ。

なかなかこの「自分のため」に義母や旦那さんの負担が増える働き方を貫き通す姿勢はできるようでできない。

ばあばのサポートがあるなら、昼間働くことだってできる。

ふつうに考えたら、子どもが学校に行っている間に仕事に行く。

帰ってきて、家事をやる。

すごく、彼女らしいと思った。

「羨ましいなあ。なんでそんな風にできるの」と聞いてみた。

聞くと、育児ノイローゼになってしまったという。

子どもたちが帰ってくれば、宿題のことやら片付けだったり「食事を作る」だけでなく、次から次へとなんだかんだとやることがあり、子どもたちが寝るまで、自分の時間なんてない。

もちろん、子どもたちへのイライラや怒ることも多くなる。

それで、朝起きて、仕事行ったら、また、朝から時間に追われてイライラするし、

一日中怒ってばかりになってしまうという。

自分のペースを守るためには家族に悪いなと少しは思うけど、

この方法しかないという。

 

いままでは、イライラしていたけれど、今はみんなが協力してくれるから、感謝できるという。むしろ、家族がいるから自分がいられるという気持ちになる。

たしかに・・・

片付けひとつとっても、帰ってきてから、一人で片付けるのと、

子どもがいる中で片付けるのでは、時間も労力も段違いだ。

凝り性のところがある彼女だと、家のことも完璧主義なのかもしれない。ここに至るまでにいろいろあったんだと思う。

「悪いな」という気持ちを受け入れて「感謝」するほうが幸せ

本音をいうと「羨ましい」だった。

 はじめ、話を聞いて、もやもやとした気持ちになった。

いやいや、フルタイムで働いている私の立場は・・・

自分の時間って・・・

彼女の話を聞くにつれ、

でも、「悪いな」という気持ちを受け入れて「感謝」しているから

できているのだと思った。

私はといえば、

旦那が片付けをしはじめると、

「ありがとう」よりも、「今やろうと思ってたのに・・・」とイラっとしてしまう。

あれもこれも、自分がやらなきゃって勝手に思ってしまう。

そのイライラに旦那が気づき、「なんだよ、やってるのに」と言葉には出さなくても、イライラ返し。そして、イライラのループ。

お互いに働いているのだし、お互いに何かやったら「ありがとう」でいいんだ。

「わたしはなんにもできない」と思っているものの、できない自分を受けいるようで受け入れてない。

「『できない』のに頑張ってる私をみて」アピールよりも、

彼女のように、「これはできない」ときちんと相手に伝え、お願いし、感謝する方が

まわりにとってもHAPPYなんだと思った。

仕事でも、家でも、自分に置き換えて考えると、

「わたし、こんなに仕事してます」「俺、しんどいんだぜ」って無言のプレッシャーかけられるよりも、「ごめん、手が空いてたらこれやってもらえるかな」って言われる方がいい。そのうえ、「ありがとう!次手伝うね」って言われたら、やることは実際増えているのに、ぜんぜん嫌な気がしない。

 嫌な感情を受け止めた先には

いままでだったら、羨ましがってる気持ちに目をそむけ、話の中身云々よりも、嫉妬心のようなモヤモヤしたものだけが残るだけだった。

友だちとはいえ、自分の嫌な気持ちは隠してた。

「羨ましいなあ」って声に出せたから、彼女の背景や考えに届くことができた。

できるかどうかは別のこととして、

視点の切り替えスイッチを入れることができた。

 

旦那にも子どもたちにも、イライラしっぱなしの自分といるよりも

このくらいがきっといいと思う。仕事に行くのも楽しみだという。

「だから、こうして青豆とも会えたし」と笑った。

自分のペースをみつけた彼女は楽しそうだった。